ということで、今回のテーマは傘だそうで、さっそくいってみたいと思います。
まぁ、傘について話すこともないので、雑談になってしまいますが、先日、免許更新と病院に行ってきました。
ちょうど、振り替えで公休を取れたので、平日に行くことができたのですが、当日はすごいザンザン降りの大雨でしてね。
なのに、父が僕のそれに着いて来たいと言い出しましてね。
父は、現役を引退し、今は家に居ることが多いのですが、やっぱり職人の性なのか、外に出ることが好きで、誰かが外に出ることがあると、一緒に来たいと言い出します。
いつもは、だいたい母が相手をしてくれて、母が用事で外に出ているときは、お神やチャイルド達が父の相手をしてくれるのですが、その日は平日。みんな、外に出ていて僕一人しか居ません。
まぁまぁ。父親と話す機会なんて、同じ家に居てもなかなかありませんから、こういうときこそ、親子の会話をね、と思い連れて行くことにしたんです。
あと、何年両親とこんなバカ話ができるかと思うと、こうやって時間が偶然できて、話せることも奇跡ですし、そういう時間を大切に過ごさなイカンな、と思います。
免許センターへ車を転がしているとき、父が毎日あった出来事を楽しそうに話すんですけど、その姿が何故かチャイルド達と重なるんですね。
「あれ?父ちゃん、こんな幼いこと言う人だったかな」みたいなね。
昔の父の姿と言えば、眉間に皺を寄せ、いつも厳しい口調で、僕や妹に躾をしていた印象があったのですが、いつの日からか、僕が家のことをやるようになってから、厳しい顔つきも和らいで、気が付いたら、笑顔の素敵なおじいちゃんになってました。
んー…。やっぱり、父と同じぐらいの年になって思うのは、僕が子供の頃は、父も親として威厳を保つために無理してたのかなぁってこと。
僕ら家族のために、世の中と戦ってくれてたんですね。
で、免許センターに着いたから、僕が更新に行くことを言うと、父が周辺を散歩したいから傘を貸してくれって言ってきたんです。
いいよ、いいよと黒い大きな傘を出し、僕は免許センターへ更新に行きました。
二時間ぐらいして戻って来たら、父が「いやぁ、だいぶここら辺も変わったなぁ」と戻ってきて、僕に傘を返してくれたんですけど、その傘というのが真っ黄色の大きな傘。
「…あれ?これどうしたの?」と僕が聞くと、父が「いや傘だよ」と。
免許センター周辺には、運動公園があるぐらいで、傘を置いて室内に入れる場所はないのに、なぜに傘を間違えて持ってくる!?
父にそう聞くと、笑顔で言いました。
「多分、免許センターのトイレで間違えたんやろ」
トイレで傘とか置く!?
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ということで、ここからはゲームに関する話。
僕は、小さい頃よく通っていたゲーセンがありまして、自転車を走らせて遊びに行ってました。
それは雨の日も変わらない訳で、傘差し運転しながら行ってましたね。
そこは個人のゲーセンだったので、整備も杜撰(ずさん)で、傘立てすらなかったので、持ってきた傘をみんな適当にそこらの壁に立て掛けて、ゲームに熱中し、帰りに「どれだったっけ?」となるのが定番になってました。
帰るとき雨がやんでるときは、傘どれか分からんから、今度来たとき取り来るで良いんですけど、今の時期みたいに梅雨だと傘の取り合いが発生します。
「それ、俺の傘のやぞぉおぉー!」みたいなね。
で、そのゲーセンにはエリートという少年も来店してまして、その日もたまたま雨で、エリートは傘のことで揉めないように、いつも自分のするゲームの筐体の側に傘を置いていたのです。
ですが、その日はたまたまエリートが傘を筐体に置き忘れて、次のゲームをプレイしちゃったんですね。
でも、筐体に傘を立て掛けるのはエリートしかいなかったので、誰もがエリートの傘と分かっていたのです。
なので、気にも止めなかったのですが、その日は状況がちょっと違ってました。
エリートが傘を置き忘れた筐体に、エレファントが座ったんです。
そこにあらわれたのが、女性ゲーマー・手加減です。
手加減は、眼鏡っ子でかわいい顔立ちということもあり、そのゲーセンではみんなに人気ありました。特に、エレファントはお気に入りで、ゲームも強かったし、手加減のことを何とか手に入れたいという下心が満々でした。
しかし、手加減はゲームはあくまで遊びであり、実を言うとエリートのことが好きでした。
僕は、エリートと友達だったので、ときどきその話を手加減から聞かされていたのですが、エレファントはそんなことは知らないので、その日も手加減にアピールしまくりです。
ですが、手加減は名前を手加減としている通り、人前で本気で戦うことはあまりありません。
正直、エレファントぐらいの実力は手加減には既にあったので、退屈そうに話を聞いてました。
寧ろ、後ろでエレファントの話を聞いていた僕らが興味津々で、「あっ、すみません。今のところ、もう一回説明いいッスか?」とか聞いてキレられてましたねぇ~。
「うっせぇ!黙ってろ、446ッッ!!」みたいなね。
いやぁ、良い思い出だ。
アッハッハー!
え?わざと聞いてた訳じゃありませんよ(笑)
で、手加減はエレファントの話に退屈したからなのか、帰ると言い出しましてね。そのとき、エレファントの視界にエリートの傘が入った訳です。
エレファントは、大雨でも傘も差さずにビショビショのままやってきて、筐体に座るような常識のない男だったのですが、そんな彼が筐体に立て掛けてあった傘に手をやり、言ったんです。
「帰るなら、送ってやろうか?」
下心、丸見えやんけぇえぇー!
もうね、当時小学生だった僕らは爆笑ですよ。でも、エレファントは、当時中学生で、それなりにイケイケだったので、口に出して笑おうものなら、リアルファイトでボコボコにされてしまいます。
心の中だけで爆笑です。
そこに立ち上がったのが、あのエリートです。
エリートは僕らと同じ年。でも、彼は僕のような畜生(仏教用語で目上の人には逆らいきれず、目下の人には偉そうに振る舞う人のこと)ではなかったので、きちんとエレファントに意見を言ったんです。
「それ、僕の傘ですけど。てか、エレファントさん、いつも傘差してきてませんよね」
エリートも、そこまで言う!?
そこ、「僕の傘です」で良いじゃんか!
それ言われたエレファントは、顔を紅潮させましてね、手加減はもちろん爆笑ですわ。
「うん、確かにそうだよね。思いっきり髪濡れてるし。エレファントさんが座った椅子、ビチャビチャだし」と更にダメ出し。
しかも、何気にエリートはエリートで、手加減の手を引っ張って、「あっちでゲームしよう」って誘って、手加減も同意したので、エレファントのプライドはズタズタです。
まぁ、可愛そうだったのですが、ある意味自業自得みたいな、というか、それより面白さの方が先行してしまい、このエピソードは個人のゲーセンが閉店するまで、語り継がれることとなりました。
因みに、その後エレファントは傘を差してゲーセンに来店するようになりました。
水玉模様のかわいい傘を差してー…。
なんでやねん!
それでは、またお会いしましょう!
閲覧ありがとうございました。