今回は、久々の格ゲー物語です。
僕の偏見で書いているので、読んでいて不快に思われる方もおられるかもしれません。
題名を見て、不快な臭いがすると思った方はここで閲覧するのを止めて頂きたく思います。
逆に、「だいたい想像付くし、まぁ446の戯れ言に付きやっても良いかな」と思う方は、閲覧して頂ければ幸いでございます。
■では、ここからスタート!⬇
ある休日の昼下がり。某ゲーセンに446とヒゲリンは足を運んだ。
目的は、八月の盆休みに行う、ランブルフィッシュという格闘ゲームの身内戦のために、使えるキャラクターを増やし、身内戦に来てくれた人とキャラクターが被らないようにするためなのと、ゲームのシステムを今一度確認するためだ。
周囲には、446とヒゲリン。そして、学生達が何人か声を張り上げながらゲームをプレイしていた。
なんの変鉄もない、ゲーセンとしては当たり前の風景。しかし、その日は446にとって少しだけゲーセンの雰囲気が違ってみえた。
446は素人だったが、身内戦に来てくれる人は、そのゲームを全くプレイしたことがない人だった。せっかく興味を持ってくれたのに、主催する446自身も全くそのゲームについて分かっていないというのはあまりにも滑稽である。
少しでもそういう事態を避けるために、ランブルに詳しいヒゲリンに協力してもらいながら、対戦を通して勉強している最中だった。
なので、446はヒゲリンにフルボッコにされていたので、傍目には惨めに見えたのかもしれない。
446とヒゲリンの対戦に気付き、対戦を観戦し始めた学生達は、446のプレイを観ながら大いに嘲笑った。
その嘲笑ぶりは、本人に聞こえるぐらい声の大きいもので、446にとっては非常に不快なものだった。
(まぁ、実際に俺のプレイは全然ダメだし嘲笑されて当然か)
全ての人がそういう訳ではないが、ゲーセンという場所、特に格闘ゲームなどの対戦を目的とするコーナーでは、こういう光景が時々みられた。
ゲームの世界も所詮は実力の世界で、446のようにただ楽しんでプレイしているだけの人間は、ゲームを真剣にプレイしている人間には時折不快に思われることがある。
その上、ヒゲリンと話すときは、ヒゲリンに意見を求められるので、一丁前に声を張って意見を述べるものだから、学生達が446に苛立ちを感じるのも無理はなかった。
「アイツ、マジでうぜぇわ」「この程度でよくゲーセンでプレイできるな」、そんな言葉が446の耳に入ってくる。
何故、楽しくゲームをしたいだけなのにそこまで言われなければならないのだと思う一方で、446には言われるだけの腕の未熟さがあった。
そこで怒れば、単に三十路過ぎのオッサンが癇癪(かんしゃく)を起こしたに過ぎず、余計に惨めである。
ここはゲーセン。その言葉に反発したいなら、ゲームで実力を見せて観戦している人に伝えるしかない。
446は、ゲームに集中し、自分のありったけの力をヒゲリンにぶつけたが、もともとヒゲリンはランブルで遠征に行っていたほどの実力者。初心者がありったけの力を上級者にぶつけたところで、蟻が象に突進しようとして気付かれずに踏み潰される程度のことでしかなく、更に惨めな試合展開となった。
背後から、更なる嘲笑と罵声が響き渡り、446はがっくりと肩を落とした。
唯一の救いは、普段どんな状況であろうと誉めることのないヒゲリンが、僕のプレイを少しだけ誉めてくれたことで、「446くんって、相手ガードさせてのガーブレとか、投げ絡めた択一ってできたんだ。成長したね」とボソリと言ってくれたことだった。
「ありがとう。ヒゲリンー…」
ヒゲリンの評価は嬉しかったが、それを言われてもそれは虚しいだけだった。
「じゃあ、俺はちょっとスロットしてくるから」
やがて、ヒゲリンはその場から立ち去り、446は一人残された。
先程の対戦でヒゲリンに貰ったアドバイスを元にCPU戦で立ち回りの練習をしていると、学生達が446を見て舌打ちした。
「あのオッサンまだしてやがる」
リーダー格の学生が苛立ち気味にそう言うと、もう一人の友達に446の隣に座るように命じ、446の座っている筐体を挟んで、同じタイトルの同じキャラで学生達はCPU戦をプレイし始めた。
ここで446に乱入しないのは、もしかしたら負けるかもしれないという不安があるからなのか、それとも446程度の素人に乱入すること自体恥ずかしいということなのか。それは分からない。
ただ、一つだけ分かっているのは、彼等は明らかに故意に446の両隣に座りプレイしているということだった。
まぁ、こういうのもよくあることで、上級者なんかは連続技を魅せてくることもある。
それをイヤミと取るか、それとも魅せてくれているか、どう取るかは本人の自由なので、446は基本プラス思考の後者で受け取ることにしていた。
さて、そうなるとどんなプレイを見せてくれるのか、気になるところである。
446は、CPU戦のデモプレイを飛ばさずにゆっくりと操作しながら、両隣の学生達のプレイを拝見することにした。
すると。
ガチャガチャガチャガチャ!
(…え?)
ガチャガチャガチャガチャ!
「………」
気合いの入った音とは裏腹に、学生達のプレイは思いっきりガチャプレイだった。
電撃やUNIならば、A連打で連続技を締めまでできるシステムが実装されているので、それなりに綺麗に見れるかもしれない。
しかし、当然のことながら、A連打のシステムが登場する前の作品に当たるランブル2にそんなものはない。
たまに、必殺技や超必殺技のコマンドが入力されているが、偶然暴発しているだけなので、COMにカウンターを取られて3面ぐらいでゲームオーバーになった。
こうなってくると、幾ら学生が無知だとしても腹立だしいものである。
その程度の腕前とかそういうレベルではない。
全くゲームをしたことのない人間に、そこまで揶揄される筋合いは流石にないと、次にまた同じことをしてきたら、乱入しようと考えていたその時だった。
学生達は席を立ち、446の横を過ぎ去り際にボソリと言った。
「…あのオッサン、適当にガチャガチャしてるだけだと思ってたけど、案外ちゃんとやってたんだな」
「見た目、ガチャプレイしてるだけっぽいのにな」
「多分、オッサンの連れが上手すぎて、オッサン(446)のプレイが雑に見えたんだな」
「鉄拳しよーぜ」
…………。
…………。
…………。
(聞こえてますけどぉおぉおぉーッッ!!)
446は、あまりのショックに操作する手を止め、がっくりと項垂(うなだ)れた。
自分では、音を立てる、見た目汚いプレイを治したつもりでいた。しかし、それは単なる自己満足に過ぎず、学生達が身を呈して446のプレイが見た目にも汚いことを指摘してくれたのだ。
(なんだろう。最終的に、これは学生達に一つ教えられたってことで良いのかな)
446の中で、もやもやしたものが少しだけ晴れた気がした。
ーENDー
■感想
周りから見たら、僕のプレイはA連打をしながらCPU戦を楽しんでいる方と変わらないみたいです。
流石にね、素人なりにも少しは対人戦で結果残しているので、もう少しマシなことはできますよ!
音じゃなくて、画面のプレイで判断してくれーッッ!!
それと、連続技じゃなくて立ち回りで判断してくれーッッ!!
本当は僕だって、CPU戦でCOMの動きに合わせて牽制振ってそこから連続技で、ゲージある・なし関係なく、綺麗に締めというのをやりたいさ!
CPU戦を観戦するとき、操作している方のレベルを判断する基準は、確かにどれだけ綺麗にCOMを倒しているか。
基本、COMの動きに合わせて、自分は動かず定位置から牽制を振り、当たった技の状態を見て、次にどういう行動をするか決めていくのが美しいCPU戦のプレイの仕方。
逃げてCOMが振ってくる技に無敵技やコマ投げで切り返すというのはCPU攻略になる(有名なのは、ウル4の隠しボスの鬼さんに突進で突っ込んで来る技に昇龍を重ねるとか、KOF96のゲーニッツに対してクラークで端まで逃げてゲーニッツが追ってきたところをアルゼンチンで投げるというのがあります)し、僕みたいに連続技の始動をひたすら当てていくというのも、結局は距離が分かってないから突っ込んでいるということになるので、観戦している方から見れば微妙です。
それは分かってるんですけど、電撃やメルブラでできないのに、僕がランブルでできるワケないじゃないですか!
ランブルとかね、ゼンで強化236をガードさせてジョルト重ねると、大抵対人じゃ遅れても1回は当たってくれますけど、初っぱなから差してきますからね。
ガーネットとか本当に鬼ですよ。
だって、最後の超必まで持っていきますから、体力半分ぐらい持っていきますし。なのに、COMさんって途中からめっちゃ優しくなりますから、ガードさせるために出した弱パンチとかに当たって倒れてくれる訳ですよ。
いや、もういいよ!俺の負けで!
電撃とかメルブラは、まだCPU戦に余裕があるので、そういうときは連係を止めて仕切り直すんですけど、ランブルとかあんまり余裕がないから、連続技を入れちゃうんですよ。
しかも、途中失敗してますからね。対人だったら、通常投げ確定のところとかいっぱいありましたから。
僕は、学生さん達はそういうこと分かってて僕のプレイを観戦していたのかなと思ったら、…違いました。
まぁ、とりあいず素人なりにもう少し操作を丁寧にやることを心がけてみます。
閲覧ありがとうございました!