〈質問〉
格ゲーのキャラ設定って面白いね。タイトルごとにキャラクターのプロフィールが全然違うし、設定自体が変わってることもある。
そこで、446に質問なんだけど、446がしてきた格ゲーの中で、最も変化が激しかったキャラクターって誰?
〈返答〉
リムルルです。
僕が知っている格ゲーキャラの中で、これほど設定が変化したキャラは存在しません。
それほどまでに、強烈な衝撃を受けました。
まず、リムルルを知らない人の為に、軽く紹介をしたいと思います。
リムルルは、サムライスピリッツシリーズに登場するナコルルというキャラクターの妹で、姉が大人しい清純派の女性に対して、活発で天真爛漫というのが彼女の設定です。
しかし、初登場は真サムライスピリッツ覇王丸地獄変というタイトルでは、全く別の一面を覗かせます。
■リムルルの初登場シーン⬇
見てもらうと分かるかと思いますが、初登場シーンでは活発な様子はうかがえません。
「分かりました。姉さん」とか言ってます。
因みに、この頃はプレイヤーキャラではなく、ナコルルのエンディングのみの登場となります。
その後、プレイヤーキャラに昇格した斬サムの勝利メッセージはこんな感じです。
■斬サムのリムルルの勝利メッセージ⬇
「大自然のお仕置きだよ」って言ってます。
でもまぁ、ここら辺はまだそんなにキャラ崩壊してませんよね。
斬サム➡天サム➡ポリサム➡アスラと続きますが、ナコルルとは対照的な活発で元気な女の子という印象です。
では、どこでキャラが崩壊し始めたのか。
ここからです。
実は、サムスピシリーズは1回話が終わっています。
旧SNK時代に製作されたタイトル、【初代➡斬サム➡天サム➡真サム➡ポリサム➡アスラ➡蒼紅】のこれだけ見ると、一部の矛盾はあるものの、おおかた話はまとまっているし、キャラの崩壊もありません。
しかし、1回話が終わったあと、またサムスピの新作を作ろうというプロジェクトが立ち上がり、それがこの零サムだったのですが、開発は悠紀エンタープライズという今のアルカナハート等を開発しているメーカーだったので、サムスピ自体がリブートされた感じになり、いちおう話は繋がっていますが、後付け設定が凄まじく、別作品のようになってしまったのです。
まぁ、個人的な感想を言わせてもらうと、それでも話も設定もしっかりしているし、エンディングなんかかなり力入れていたので、僕は好きでした。
これを正規ナンバリングと呼ぶかどうかは別にして、1つの作品としては楽しめます。
はい。では、話を戻して、問題のリムルルですが、これは僕が説明するより、まずは零サムの前日談を見てもらうのが早いでしょう。
ということで、零サムのリムルルの前日談を下記に掲載しますので、まずは読んでみてください。
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「ねえさまー!おばあちゃんがラタシケブ作ってくれたよ」
リムルルは揚々と広場に戻る。ラタシケブは好物だった。ナコルルが毎朝作ってくれるラタシケブで一日は始まる。ナコルルにラタシケブの作り方を教えたのはもちろん祖母で、その旨味は言うまでもない。リムルルにとってはうれしいおやつだ。
「一緒に食べ……あれ? 姉様?」
そこに大好きな姉の姿はなかった。いつものように、優しく微笑んでくれると思っていたのに……ナコルルはいなかった。コンルと遊んで家の前まで行ってしまい、戻って来るだけのわずかな時間に……。
ふと、リムルルは気付く。ナコルルが居たはずの場所から、村の外へと足跡が続いている。雪を強く後ろに蹴り出している痕跡から、かなり急いでいた姿が想像できる。
「姉様……お外に行っちゃったみたい。なんで?」
リムルルが不思議そうに首をかしげると、コンルも左右に揺れる。
「うーん……」
しかめっ面で悩んでいたが、すぐにパッと満面の笑顔に切り替わる。
ーーかくれんぼだ!姉様ってばもうっ!
「コンル、姉様探しにいこっ!」
すごく、すごく、大好きな、姉とずっと一緒にいたいからーー。
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一体、どうしたんだ、リムルル!?
ちなみに、零サムの彼女の設定は13歳です。
いやね、キャラが変わった以前の問題ですよ。
13歳にもなって、姉が居なくなって、かくれんぼはねぇだろ、かくれんぼは!
13歳って言ったら、普通は中1か中2ですよ。
世の中の事象が理解できるようになり、でも知識と情報に対し、自分にできることが限られていて、処理が追い付かず、その苛立ちを周囲にぶつける思春期真っ盛りですよ。
もうね、そんな歳の子がかくれんぼとか言い始めたら、コイツあたま大丈夫か?ってなっちゃうんでしょう!
幾らね、萌えキャラが流行ってたからと言っても、こんなの萌えもロリも通り越してただの阿呆です。
流石に、零サムのリムルルは反感が凄くてですね、パラレルですけど、零サムの話から一部繋がっている剣サムの前日談は少しだけ大人になります。
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朝靄(あさもや)の中、朝陽を背に向けて笑顔で旅立って行くナコルルの後ろ姿をリムルルは見送った。
「ー…姉様の嘘つき」
同じく笑顔で送り出したリムルルは、朝靄に消えたナコルルを想って嘆息した。
ナコルルほどの秀でた巫女の能力があるわけではないが、ずっと一緒に居た大好きな姉のことぐらい分かるつもり。不安で、怖くて、闘いたくもないのに、自分を抑えて旅立って行く悲痛な笑顔はもう見たくないのにー…。
「わたしも嘘つきだね、コンル」
それなのに、今にも泣き出しそうな笑顔で送り出した自分にも嫌気が差す。リムルルの肩の辺りに浮かぶコンルが同調するように悲しげな輝きを放つ。
「だけど、もう、嘘はつかないよ。がんばろう、ねっ、コンル!」
旅立ちのカムイノミ(神事)が終わり、片付けが行われている最中、リムルルは予め準備していた旅支度に身を整えカムイコタンを後にした。
今度こそはナコルルの力になると決意も固くー。
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流石に、今度はかくれんぼとは言わなかったみたいですね。
まぁ、状況が違いますけど。
剣サムの前日談で注目して欲しいのは、ナコルルの心情を理解し、力になろうと行動しているところです。
零サムの時みたいに、考えることを放棄して、とりあいず姉さま探しに行こうみたいな勘なし行為をしていないところが成長しています。
そして、読んでいてちょっとズルいなと思ったのは、この一文。
「だけど、もう、嘘はつかないよ。がんばろう、ねっ、コンル!」
あれ?
前作の「かくれんぼ」のこと、なかったことにしようとしてない!?
反感あったから、実は姉がヤバイから外に出たの気付いたけど、かくれんぼと自分に言い聞かせ、前作は旅に出ました的なそんな感じにしようとしてない!?
じゃあ、聞きますけど、誰もいないところでかくれんぼってボケる意味ありますーッッ!?
まぁ、ここら辺が一番変化激しかったし、ツッコミどころ満載でしたね。
今は、ネシカに閃サムが、ネシカ2に令サムが配信されています。
こちらも、昔のリムルルしか知らない人にはなかなかの激変っぷりです。
演出で笑顔で超必を繰り出すというのがあるのですが、あのゲーム残虐表現があるので、見事なまでにリムルルがサイコパスな娘に見えてしまいます。
そういう設定のキャラは違和感がないのですが、カメラ目線でブリッ子されて、そのあと敵をぐしゃって潰して笑顔で「キャハハー」ってどう思います!?
まだ、バサラの方がマシですね。
はい!
とういうわけで、さんざん僕の愚痴につき合ってくださり、ありがとうございました。
それでは、またお会いしましょう!
閲覧ありがとうございました!