446の素人格ゲーブログ

ゲーセンでゲームをするのが大好きなオッサンの日常ゲームブログ!毎週金・土・日更新!!

【第二十一話】どちらが正しいとも言えないけれどー…

今回は、僕の身近であった話を物語調で書きたいと思います。

■ここからスタート⬇

ゲームセンターというのは、時に互いの見解の相違から、スレ違いというものが生まれます。今回は、そんなお話です。

ゴールデンウィーク前。部長が身内戦を開くということで、【446】を始めとする初心者4人組は、県外に飛び出し、観光を兼ねたギルティの練習をすることになりました。

その日は日曜日。さすがに平日と比較すると、朝でもゲームをやっている人が居て、既に野試合が起こりそうな予感でした。

そこは、オールネットの対戦台が10台あり、既に真ん中2台は対戦が行われていました。

「俺たちも、さっそくやりましょうよ。先輩」

そう言って、僕の後輩の【クロワッサン】は、ギルティのレベ2を選択すると、さっそくカイで練習を始めました。

「んなら、入るッスよ。クロワッサン先輩」

そんな【クロワッサン】を見て、理論派格ゲーマー・【算数】は、【クロワッサン】にシンで乱入します。

「シンねぇ。強いとは思うけど、肉の管理が面倒臭いんだよね」

シンというキャラクターは、必殺技を使用する度に肉のアイコンが付いたカロリーゲージが減少するのが特徴で、コマンドを入力してカロリーゲージを回復させないと、カロリーゲージがゼロになると必殺技を使用できなくなります。

その代わり、必殺技から必殺技へコンボを繋げることができ、それがシンの最大の持ち味となります。

「面倒臭いと思うなら使わなければ良いのに。自分できますアピールか?」

【算数】の独り言に、独り言で返したのは、【算数】と同じ年の【妄想】でした。

【妄想】は、今年から中途で入ってきた若者で、何かにつけてマイナス思考で考える癖があり、客観的にものをみようとしないので、自分の判断だけですべてを決め付け、被害妄想に陥りやすい人物でした。

「いや、実際あのキャラは面倒だよ。普通のゲージの管理のほかに、カロリーゲージまで見て戦う必要があるんだから。それ以上に、【算数】はシンに魅力を感じてるってことだろ。それを言葉で言いたかっただけの話さ」

僕が【算数】のフォローにまわると、【妄想】は何も言わず、そのままギルティでソルを練習し始めました。

【妄想】は、まだギルティをし始めたばっかりで、ガトリングコンビネーションから必殺技とかそこら辺の練習をしていました。僕も、対戦がやりたかったのですが、幾ら僕が素人とは言え、まだ練習し始めたばかりの人に乱入するのは失礼にあたるので、【クロワッサン】と【算数】の試合が終わるのを待っていました。

すると、僕の後ろで【妄想】のプレイをジッと見始める人が現れました。年は、僕と同じぐらいの人でしょうか。季節外れのダウンジャケットを身にまとい、手には50円らしきものが握り締められていました。

仕切りに僕の方をチラチラ見ながら、【妄想】のプレイを観戦されていたので、僕は【妄想】に乱入したいのかなと思い、「僕は対戦しないので、乱入されるのならどうぞ?」と声を掛けたら、その人は何も言わず、去っていきました。

そして、2P側からギルティを始めたのです。

しかも、スタイリッシュモードでソルを選択されました。

(なるほど。ギルティをやりたかったけど、みんなギルティやってるから、やろうかどうか迷ってたのか)

この心境。僕も、気持ちは分からなくありませんでした。

他人の評価より、自分がそのゲームをしたいかどうかなのですが、アーケードという環境は、常に人に見られています。

なので、気にしないふりをしても、どうしても周囲が気になってしまうのです。

スタイリッシュモードを選択するということは、自分の腕にそこまで自信がないのを分かっていて、それでもゲームをやりたかったから、勇気を持ってスタイリッシュモードのソルでCPU戦をプレイしたのだと思います。

僕はそう思ったのですが、隣でCPU戦の同キャラを使っていた【妄想】は、苛立ち気味に席を立つと、僕の元へやって来てこう言いました。

「アイツ、素人狩りッスよ」

えぇえぇえーッッ!!!?(汗)

まさかの発言です。

しかし、僕もやり始めた頃は、そういう考えを持っていた時期があったので、まずは【妄想】の意見を聞き、理解することにしました。

「なんで?ただ、やりたかっただけかもしれないじゃん」

そう言う僕に、【妄想】は首を横に振り、否定します。

「だったら、さっき対戦してた人達もう居ないんだから、筐体離れてすることもできるのに、なんでわざわざ俺の隣でする必要があるんですかね?しかも、2P側からッスよ。明らかに誘ってません?」

そりゃ【妄想】。あんたの主観的な考えで、お前がその人の何を知ってるんだって話だよ。

もしかしたら、その人はここの常連さんで、今されている筐体でいつもゲームをしているかもしれないじゃないか。

その人を知っている訳でも、何か根拠がある訳でもないのに、勝手に自分が被害者面する方がよっぽど相手に対して失礼だろ。

と、僕は言いたかったのですが、僕も自分に余裕がなく、ついつい被害妄想を膨らませていた時期があったので、【妄想】の気持ちは分からなくはありません。

なので、ここはもっと客観的に【妄想】に見て判断してもらおうと、僕は画面を指差しました。

「でも、スタイリッシュモードだよ」

僕の知っている限り、素人狩りというのは、初心者にそっこうで乱入して、勝ち挑発や相手ダウン時に挑発とかそういう感じだと考えています。

2P側からCPU戦で挑発行為を繰り返したり、わざと隣と同じキャラでいき、こっちのプレイより少し上のコンボできますアピールをしてくる人もいますが、これは素人狩りというよりは、「俺はこれだけ技術を持ってるよ。よかったら、対戦しない?」っていう、対戦しようぜアピールだと思うんですよね。

僕が当たった人だけかもしれませんが、事実、こういう人はマナーの悪い対戦はしませんし、実力差があったとしても、自分から誘ったからとだからか、何回か乱入してくれます。格上の方の場合だったら、何回乱入しても、捨てゲーされることはまずありません。

で、今回の方は、まずスタイリッシュモードを選択しています。この時点で、対戦をしている人には、CPU戦を楽しんでる人なんだなと思われ、野試合では嫌煙される傾向が強いです。

あと、立ち回りとコンボ。

CPU戦しかやっていない人と対人戦をやっている人では、開幕時に何をするか全く違います。

スタイリッシュモードでも、牽制振って、画面中央から端にコンボを持っていきの、起き攻めしてまたコンボとかしてくるなら、まぁ対戦してる方かなと思えなくもないのですが、今回の方はそれも全くありませんでしたしね。

【妄想】も、ギルティ以外にも色んな格闘ゲームを触っているので、これで考えてくれるかなと思いましたが、またしても「違う!」と否定してきたのです。

「スタイリッシュモードで油断して、初心者狩りをする手口ですよ。そしたら、こっちから入って来るから、初心者狩りって思われないでしょ?」

そんな初心者狩りとか居るのぉおぉおぉ!?

そんなことをする意味がどこにある?
自分の力を誇示したいなら、乱入して見せ付けるのが一番早いでしょ!

いや、それこそ僕の間違った認識なのか?

どちらが正しいとは言えないけれど、僕はただCPU戦を楽しんでいる方だと思うけどなぁ。

もうね、僕に残された言葉はこれしかなかった。

「そんなに気になるなら、乱入すれば良いじゃん!」

すると、【妄想】は頬を膨らませてこう言いました。

「僕を嵌めようとしたって、そうはいきませんよ!」

【妄想】は、どこまでも被害妄想(T_T)

閲覧ありがとうございました!