今回は、「格闘ゲームの設定資料」という検索がまた掛かっていたので、それについて書きたいと思います。
むかし、ゲーメストというアーケードゲーム専門雑誌がありまして、その増刊で1つのタイトルのゲームについて、まるまる一冊特集してくれるというのがありました。
現在は、攻略本と設定資料集が分かれて出版されることも珍しくありませんが、ムックは設定資料とゲームの攻略が1セットになっていて、これがムックの特徴でもありました。
しかし、ゲーメストの雑誌が黄金期だった頃は、もっと凄かったんです。
今回は、黄金期のムックのなにが凄かったのか、それをご紹介したいと思います。
まずは、この3冊の画像を見て頂きたいのです。
■KOF96(グラフィックコレクション)⬇
■KOF96(対戦攻略本)
■KOF96(ファンムック)
同じタイトルに、3冊のムックが出版されています。現在では考えられないことです。
それぞれ、必殺技のモーションを掲載して説明しているもの、対戦攻略とCPU戦攻略をメインとしたもの、そして設定資料やその他ファンとの交流を目的としたファンムック。
黄金期は、このようにムックも格闘ゲームをするプレイする人だけでなく、格闘ゲームのストーリーやキャラクターが好きだというファンに向けてのムックもあったんです。
現在は、ピクシブやエブリスタを始め、素人でも自分のイラストを表現し、他人に意見や評価をしてもらえる環境がありますが、僕が学生の頃はこういう雑誌にイラストを投稿して、プロに見てもらうというのが、一種の自己表現の場でした。
物凄く同人色が強いので、ムックを購入する方の中には嫌悪感を抱く方もおられたようですが、ここから編集者に評価されてプロになられた方もおられますし、それを考えると、こういう雑誌への投稿というのは、ネット環境がない時代、自分のイラストや文章の表現を、気軽にプロに評価してもらえる場でもあったのかもしれません。
実際、格ゲーに興味のない方も、イラストを投稿されていたようですし。
もちろん、ファンムックにはそのゲームの公式設定資料も掲載されています。
その上で、そのムックでしか知り得ないような、とっても濃い設定のお話や、読者から送られてくるイラストの紹介、そして、たまにそのゲームを題材にした二次小説や漫画を募集して、採用された方には賞金が出るというイベントもやっていました。
僕は、天サムとKOF96ぐらいしかファンムックは持っていませんが、そこで優秀賞を取った作品を見て感動したのをよく覚えています。
格闘ゲームって、設定が曖昧なものが多いですから、ゲームをした人によって、色んな解釈があるんです。なので、それを物語の題材にすると、たった1つの格闘ゲームから色んな物語が生まれて、そのゲームからは想像もつかないような物語を楽しむことができます。
「俺は、ショートストーリーとエンディングから、このキャラはこういう風に考えていたけど、この人はこんな風に考えているんだね」みたいな。
そういうのを投稿された作品を読んで感じれるのが楽しかった!
オマケに、ファンムックは設定資料集の延長ですから、「あれ?このキャラこういうキャラだったっけ?」と思ったとき、すぐに確認することができますしね。
まぁ、今はこういう濃い設定資料集って見ませんが、昔はファンと一緒に作っていく設定資料?があったよ、というお話でした。
■天サムファンムック⬇
キャラの刀の設定の詳細まで掲載されている(笑)
閲覧ありがとうございました!