電撃ファイティングクライマックスイグニッション。
素人でも簡単にコンボをイメージする事ができ、それなりに楽しく遊べる格闘ゲームだ。
コマンド入力が上手くできなくても、連打コンボから超必殺技を入れて、そこに切り札のコマンドを入力すれば、簡単にダメージを取ることができる。また、立ち回りもサポートの存在により、格闘ゲームが苦手な人も性能さえ理解してしまえば、ある程度格上のプレイヤーとも渡り歩いて行くことができる。
そんな、技術の差を越えて、楽しく遊ぶことのできるこの格闘ゲームに、ヤツは突如として姿を表した。
その日、僕はいつものように、電撃CXイグニッションをするために、行き着けのゲーセンへと足を運んだ。
土曜日ということもあり、それなりに混み合っており、電撃の対戦があっているだろうと胸を躍らせていた。
しかし、いざ電撃の筐体の前に着くと、人は居るのに対戦はあっていない。
不思議に思った僕は、両替後筐体の方へ足を運んだ。
すると、そこには平和島が縦横無尽にCOMを倒す姿が映し出されていた。
そして、体力ゲージの上には、40winの文字がー…。
「あの…、これ皆さん挑戦なさったんですか?」
恐る恐る見学していたおじさんに聞いてみると、おじさんはコクリと頷く。
「全く歯が立たなかったよ」
おじさんは、そのゲーセンでは結構名の知れた電撃プレイヤーだった。そのおじさんが全く歯が立たないという事は、そのゲーセンに目の前の平和島は、誰も倒せない事を意味していた。
顔も知らないプレイヤーに、このまま平和島で暴れられる訳にはいかない。
僕は、ギュッとコインを握り締め、椅子に腰を降ろした。
しかし、40連勝という記録が、彼の確かな実力を物語り、乱入を怯ませた。
ビビる僕に、おじさんは声を掛けてくれた。
「俺は、このゲーセンで最強と呼ばれているが、勝負に絶対はない。俺は負けたけど、446くんなら勝てるかもしれない。さぁ、勇気を出して、コインを入れるんだ!」
「おじさん…」
おじさんの言葉に勇気付けられた僕は、コインを投入し、シャナを選択!
二分後ー…。
「あの…、この平和島。どうやって近付けば良いんですか?」
つづく!
閲覧有り難う御座いました!