お話書くと言ったは良いものの、非常に体力使います(笑)
まぁ、小説投稿サイトで毎日更新しているような猛者に比べれば、僕なんてカスのようなものですが、書くこと決まってても更新けっこうギリギリでした。
僕は、週3のペースで更新します。
月末月初は、違うSNSにも更新するので、ちょっとバタバタなのですが、必ず月のどこかで暇な時があるので、その時間をプラスαに当てています。
で、先週ハクビシンくんの話を書いたら、月曜に書き始めて終わったのは土曜の夜ですわ。
勿論、ずっと作成していた訳ではありませんけどね。
まぁ、これはあくまで僕の場合ですが、1日にブログを作成する時間は1時間と決めています。
理由は、家族との時間をゆっくり過ごしたいというのと、無理に終わらせようとすると、それこそまた添削し直さなきゃいけないので、時間の無駄が発生するんですね。
そもそも、誤字脱字もバンバン出して更新してる僕ですが、そういうのじゃなくて、もうね、読んでて意味が分からないってのが出てくる。
その時は、テンションハイで書いてるので良いのですが、あとで「あぁあ~…」となるので、平日は仕事終わって、会社の駐車場で一時間、休日はみんなが起きる前の朝4時から1時間、ここが勝負です。
どのみち、家に帰ったら、チャイルドどもが五月蝿くて、ブログなんて書けません。
ちょっと早く帰って、ブログでも書こうと思おうものなら、お神が「ボイラーに灯油入れてきて。つーか、無いから買ってきて」とか言ってきます。
で、「金は?」というとね、「小遣いから出しとって」とかね、なかなかキツいよ?三万の小遣いからポリカン二つ、36㍑、4000近くいくよ?
はぁ~…。こんなこと言っても、悲しくなってくるだけので、そろそろ話始めます。
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199×年。格闘ゲーム黄金期と呼ばれた時代。
そのゲームのジャンルは現在(いま)では考えられないまでに流行(はや)っていた。
近所のビデオ屋へ行けば、ネオジオ筐体が設置されており、誰かがそれをやっている。駄菓子屋へ行けば、小学生達が一台の筐体で対戦をしながら、あぁだこうだ話している。スーパーマーケットへ行けば、一角にゲームコーナーが設けられ、スコアアタックに勤しむオッサンが居る。
そんな、どこもかしこもどこかに格闘ゲームの筐体があった時代、田舎のとある中学校でもそのジャンルのゲームは流行としてクラス中で話題になっていた。
そのクラスの中でも、特に格闘ゲームが好きな四人組がいた。
普通は友達の家で集まって、格闘ゲームの対戦を楽しむのに対し、その四人はわざわざ隣町のゲームセンターまで足を運び、格ゲーをしに行くのだ。
クラスの人間は「マニア」だの「オタク」だの彼等を揶揄したが、彼等は全く気にしない。
「今週は期末テストで早く帰れるし、昼からゲーセン行こうぜ!」
今日も勉強そっちのけでゲーセンへ行こうと誘うそいつは、らっきょといった。らっきょは、根っからのゲーム好きで、家で練習した後、週末ゲーセンで対戦して、腕試しをするのが日課となっていた。
「いやぁ~…。らっきょくんは頭が良いから関係ないかもしれないけどさ、今度明日のテストの点数が悪かったら、マジでヤバイから、…遠慮しようかなぁ~」
やんわりゲーセンへ行くのを拒否したそいつは、446といった。いつも自信がさなそうに、当たり障りのない言葉で話し、問題を回避しようとする、ちょっとズルい性格の人間だった。
「おいおい、そりゃあねぇだろ!なぁ、サラブレッド!」
「………」
らっきょの問い掛けに目線だけ向け、何も答えないその男こそ、今回の主人公・サラブレッドだ。サラブレッドは、無駄に言葉を発することはない。常に冷静沈着で、その性格はゲームのプレイにも反映されていた。
ガタッ。
徐に立ち上がったサラブレッドは、らっきょの所まで来ると、一言言った。
「勉強より、格ゲーだろ」
「だよな!つーわけだから、お前も来いよ、446!」
(マジか!?らっきょくんは頭良いからヨシとして、サラブレッド、お前行くの?)
サラブレッドは、446同様、頭が悪かった。三者面談で親を泣かせた生徒が二人居るとホームルームで大々的に発表されたその内の一人は446、そしてもう一人はサラブレッドだった。
そんなサラブレッドが人生を捨ててゲームへ行くのだ。446も仕方なく、ゲーセンへ同行した。
「じゃあ、××駅に13時集合な!」
ゲーセンは、隣町にあり、電車へ行く必要があった。それぞれ家に帰り、私服に着替え、待ち合わせの13時に駅へと足を運ぶ。
らっきょ。446。二人の姿を確認し、サラブレッドは券売機で切符を買い、二人の元へと急いだ。
「おせぇんだよ、何やってんだサラブレッド!!」
すると、二人とは明らかに甲高い声がサラブレッドに叱責した。そのキャンキャンと鳴くチワワのような雑音にサラブレッドは身に覚えがあった。
「あぁ。なんか、サバミソも来るって」
狐のような細い目に、岩石のような四角い頭。笑うと真っ白い歯を覗かせ、だけと笑い方が嫌らしいので、なんだか気持ち悪い。
サラブレッドは、サバミソのことが嫌いだった。
「お前ら、今日も俺が鍛えてやるから、覚悟しとけよ!」
そう言って、明らかに付き合いで来ている446の背中をポンと叩いた。446は迷惑そうだ。
電車を乗り継ぎ、ゲーセンに到着すると、早速サバミソがKOF98(無印)にコインを入れる。
そのゲーセンは個人経営で、当時でも考えられない破格の20円1プレイという、お金を持っていない学生には嬉しい値段設定で経営を行っていた。
そんなところで、知らない人と腕試しができるとなれば、ゲーマーは行かないわけにはいかないのだ。
そんなゲーセンだ。乱入対戦も盛んな筈だが、何故だかサバミソには誰も乱入しなかった。
理由は、彼の戦闘スタイルにあった。
まずはサバミソに446が乱入する。446は開幕同時、通常技を出しつつ、相手の攻撃を警戒する。だが、サバミソはいつまで経っても動かない。
そう。サバミソは徹底した待ちスタイルで、完全に反撃できるタイミングではない限り、自分からは何もしてこないという、人から嫌われる戦い方をするタイプだった。
446、らっきょとサバミソに成す術なく敗北する。サバミソは、二人に勝ってご満悦だ。
サラブレッドも、実はサバミソに勝てなかった。
だが、その日のサラブレッドは冴えていた。
いつも使用するテリーや庵といった打撃系のキャラの使用を控え、クラークとラルフという投げキャラを使用したのだ。
別に何か考えがあった訳ではない。たまたま使用したキャラが投げキャラで対戦したら、サバミソはガードして待つだけの人間だったので、あれよあれよと技が入り、あれだけ倒せなかったサバミソを簡単に倒してしまったのだ。
勝てたのは勝てたが、今度はその勝利に虚しさをサラブレッドは感じてしまう。
サバミソはサラブレッドに負けたのが気に食わず、みんなより早く帰った。そのあと、三人でゲームをしたあと、サラブレッドは駅でらっきょと446に宣言した。
「らっきょ、446。俺、格ゲー辞めるわ」
ー数年後ー
サラブレッドは社会人になっていた。
趣味も持たず、酒もたばこも興味なく、何となく付き合っていた彼女と刺激のない毎日を過ごしていた。
平日は会社に電車で通勤し、休みがくれば彼女とデート。そんなループが何年も続き、いい加減、生きるのにも飽きてきた。
その日も、いつものように帰宅するため、駅のホームの椅子に座り、帰りの電車を待っていた。
「あれ?サラブレッド??」
そこに聞き覚えのある声。ちょっと痩せたが、その高いのか低いのかよく分からない声は、間違いなく446の声だった。
「なにしてんの?」
(お前がなにしてんだよ)
仕事で疲れている上に、知り合いに会うというシュチュエーションはサラブレッドにとって最悪だった。なるべく、誰とも会わず静かに帰宅したい。その想いは446が声を掛けてきたことにより、無惨にも打ち砕かれてしまったのだ。
「今から家に帰るところだよ。お前は?」
「俺?俺は、今日休みだったんで、ちょっと都会まで格ゲーの対戦会に参加してきたんだ。その帰りだよ」
「…お前、まだ格ゲーやってんの!?」
446の言葉にサラブレッドは驚愕した。
446は、あの当時そんなに格ゲーに興味がなく、らっきょが誘うから仕方なく格ゲーをやっている感じだった。勿論、対戦もやられてばっかりで、正直楽しそうにやっている感じは見てとれなかった。
「まぁね、サラブレッドはあのとき辞めるわって言ってたけど、本当に辞めちゃったの?」
「あぁ。もう全然さわってねぇよ」
「えぇえぇえぇえー!」
まさかのオーバーリアクション。446は想像以上に騒がしいヤツになったとサラブレッドは感じた。
「それは人生半分損してるよ。今度、時間が合うときにでも一緒にゲーセン行こう」
何を損しているのかよく分からなかったが、久しぶりに気が向いたので、日曜日に約束し、中学時代よく通っていたあのゲーセンへ二人で足を運んだ。
「変わってねぇなぁ」
そうぼやいたサラブレッドに446はニヤリと笑う。
「変わってないのは外見だけさ。中は凄いことになってるよ」
「はいはい」
さっきのオーバーリアクションから察するに、446は物事をオーバーに表現するようになったのだろう。サラブレッドは、446のそれを軽く受け流しながら、建物の中に入る。
「えっ…」
しかし、そこに広がっていた景色はサラブレッドの想像の上をいくものだった。
大画面の迫力で対戦が繰り広げられる筐体の数々、戦歴を保存できるカードシステム、学生の頃とは比較にならないビジュアル演出。
「すごいでしょ」
「あぁ。驚いた…」
あの頃とは全く違う景色に思わず息を呑み、サラブレッドが全体を見回していると、1つだけ古びた筐体があり、そこには懐かしいタイトルの格ゲーがあった。
「KOF98ー…」
思わず立ち止まってしまったサラブレッドの横で、446はサラブレッドの方は見ず、口を開いた。
「サバミソに勝ってサラブレッドがゲームを辞めるって言ったあの日、らっきょも格ゲーを辞めちゃったんだ。きっと、らっきょにとって君は目標だったんだね」
「意味が分からねぇな。らっきょの方が俺より強かったろ」
「…まぁ、だね」
サラブレッドは、大好きなゲームを前に視線を向けたまま、でもコインを入れられずにいた。
(俺がやりたかったのはー…。俺がやりたかったゲームはー…)
唇を噛み、拳をギュッと握り締め、サラブレッドは筐体に背を向けた。そこに、446の声。
「良かったら対戦しない?ここ、クレジット共有で100円2クレだから、1回は俺が奢るよ。キャラは、あの時と同じクラーク使っていいよ」
その挑発じみた言葉にサラブレッドは「1回だけだぞ」と言い、椅子に座る。
(打撃はガードで防げる。ガードは投げに勝つ。でも、だからと言って、俺ら素人界隈で投げに打撃に何とかできる術はない。これが分かったから、俺の中で格ゲーは冷めちまったんだ)
サラブレッドは小さく溜め息をつき、クラークとラルフを選択する。あと一体は誰でも良かった。
一方の446は、ユリ・テリー・庵とスタンダードメンバー。中学時代と変わっていなかった。
「ふっ…」
思わず嘲笑したサラブレッド。
(成長してないなぁ。まぁ、直ぐに終わらせてやるよ)
瞬間、サラブレッドは相手の間合いまで距離を詰めると、打撃をガードさせ、コマ投げへ持っていく。
…つもりだった。
しかし、446は当たるか当たらないかの位置で通常技を振ってきて、それを嫌がると対空、もしくは技で処理されていった。
「はぁ…はぁ…」
サラブレッドは、動揺を隠せなかった。
多少はブランクがあるとはいえ、こんな歴然たる差があるとは思えない。
しかし、あまりにも酷い状況に、気が付けばサラブレッドはサバミソのように待ちに徹していた。
「俺も、あの時は気付けなかったけどさ、サバミソも必死だったんだと思うよ」
サラブレッドのガードを、446は打撃や通常投げを駆使し、ガードを揺さぶり、嫌がって垂直ジャンプしたところを一気に畳み掛けた。
「あの時、結局自分もサバミソと同じようなことしかできなかったのが悔しかったんだよね。でも、今ならあの時とは違う答えが見付かるかもしれない」
気が付けば、サラブレッドは446にやられていた。言葉が出ないサラブレッドに、446は続ける。
「本当は、電車の中で俺達何度か会ってたんだ。でも、毎日抜け殻みたいに無表情で帰宅している君に声を掛けれなかった。原因を探してる内に、君が好きなゲームを本当に全く触ってないってことが分かったんだ」
「………」
「今度は俺も、そして君が知らない俺の仲間も、昔とは違う見解で物が言える。もう一度、こっちに戻ってきて、楽しくゲームやらないかい?」
446のその言葉に、サラブレッドの中で止まっていた時間が動き出した。
自分の中にあった違和感が消え、今なら素直な気持ちでゲームができる気がする。
「もう一度、やる?」
そう言う446に、サラブレッドは小さく「ありがとう」と呟いた。
ーENDー
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はい。ということで、前回よりだいぶ長くなりましたが、ザ・ファーストゲーム(サラブレッド編)、これにて終わりです。
あとがき、のようなものは明日書くとして、1つ質問が来ているので、今回はそれに答えて終わりたいと思います。
〈質問〉
「『ザ・ファーストゲーム』ってなってるけど、これってゲームをやるキッカケの話だよね?ハクビシンもサラブレッドももうゲームやってっじゃん!どこがファーストゲームなの?」
これはですね、それまでは半分付き合いでゲームしてたけど、ハクビシンくんもサラブレッドも1つのことをキッカケにゲームに対する意識の変化があったと思うんです。
そこから、趣味としての「好きでやってるゲーム」になるんですけど、そのキッカケの話を今回の話では書いています。
因みに、サラブレッドとハクビシンくんは僕がキッカケだったんですけど、来週のお話の主人公・ヒゲリンは、そもそも学校も違うし、僕は職場で一緒になって影響を受けた側なので、ヒゲリンのキッカケの話は楽しめるかと思います。
こういうのって、結構ずーっとやっちゃう趣味なんですけど、年を取ればそれに対する意識も当然変わります。
その意識の変化が今後自分はこの趣味をどうしていきたいっていうのに繋がっていくと思うんです。
たった一度っきりの人生ですし、何でも楽しくやりたいですしね。
はい!
ということで、今回はここまで!
またお会いしましょう!
閲覧ありがとうございました!